線溶系を介した脂肪細胞の正常細胞への影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
肥満率の低下を目標に様々な取り組みがなされているが、生活習慣病は予備軍を含め増加傾向にある。脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインが生活習慣病の発症に深く関わっていることが知られているが、肥満状態にあると生活習慣病以外の疾患の病態や予後にも影響する可能性が大きいことも注目され始めている。特に肥満脂肪細胞から分泌され、虚血性循環器疾患に関連する線溶系の阻害物質であるプラスミノゲンアクチベータインヒビター-1(PAI-1)は、線維化病変の指標にもなっている。全身に分布する血管内腔で血液と直接接する血管内皮細胞と脂肪細胞との細胞間相互作用を詳細に検討することは多くの疾患の予後を推測できると考えられる。そこでPAI-1を産生する脂肪細胞の培養上清を血管内皮細胞に添加し、内皮細胞のウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ(uPA)およびPAI-1産生の変化を測定した。脂肪細胞の培養上清を添加した血管内皮細胞では、uPAおよびPAI-1の産生が増加しており、脂肪細胞から分泌されたアディポサイトカインが血管内皮細胞や血管周囲組織の恒常性維持機能に影響を与えることが示唆された。
- 2013-03-25
著者
関連論文
- ヒト胃線維芽細胞の urokinase-type plasminogen activator 産生に対する Indomethacin の影響
- デキサメタゾン前処理ヒト肺線維芽細胞の線溶物質発現における炎症性サイトカインの影響
- 合成培地HFDM-1を用いた培養ヒト肺線維芽細胞の産生するPAI-1の検討
- ヒト肺線維芽細胞の肺胞上皮細胞および血管内皮細胞の接着への影響
- 低濃度酸素下にて培養した肺血管内皮細胞に対する高濃度酸素障害の検討
- 肺傷害時のヒト肺微小血管内皮細胞と繊維芽細胞のウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータおよびその受容体と阻害物質の発現
- 低濃度酸素刺激がヒト肺腺維芽細胞のウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ(uPA), PAインヒビタ-1(PAI-1)に及ぼす影響
- 低濃度酸素刺激が、ヒト肺線維芽細胞のuPAおよびPAI-1 mRNAの発現に及ぼす影響について
- TGF-β1 はヒト肺線維芽細胞における c-met の発現を促進する
- 総合内科の臨床と研究
- ヒト肺胞II型上皮細胞の機能維持培養
- ヒト肺胞II型上皮細胞の機能維持培養
- ヒト肺微小血管内皮細胞における炎症性サイトカイン誘導uPAへの dexamethasone の影響
- ヒト肺微小血管内皮細胞からの肝細胞増殖因子産生におけるインターロイキン1ベータの及ぼす影響
- 高濃度酸素負荷刺激による肺線維芽細胞のHGF産生に関する検討
- 合成培地HFDM-1 を用いた培養ヒト肺線維芽細胞の産生するPAI-1の検討
- HUMAN LUNG FIBROBLASTS CULTIVATED WITH HFDM-1 REDUCED BOTH THE SECRETED PAI-1 AND THE SURFACE UPA ACTIVITIES
- ヒト肺微小血管内皮細胞におけるIL-1βおよびTNF-α刺激後のuPA誘発の検討
- ヒト肺微小血管内皮細胞の UROKINASE 型 PLASMINOGEN ACTIVATOR および PA INHIBITOR-1 産生における特異性
- 合成培地HFDM-1 を用いた培養ヒト肺線維芽細胞の産生するPAI-1の検討
- 線溶系を介した脂肪細胞の正常細胞への影響