腹腔鏡補助下回盲部切除を施行した高度進行虫垂癌の1例
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概要
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60代、男性。労作時の息切れを主訴に近医を受診した。高度の貧血を認め、大腸内視鏡検査にて進行虫垂癌を疑い手術目的に当科紹介となった。全身CT検査にて、回盲部に周囲浸潤を伴う腫瘤および多発肺結節を認めた。貧血の進行より原発巣の切除を行った上で全身化学療法を行う方針となり、腹腔鏡補助下手術を計画した。腹腔鏡下に観察すると、腫瘍は後腹膜および側腹壁へ浸潤していた。リンパ節郭清および血管処理を先行させ、最後に腫瘍周囲の切離を行った。腫瘍より離れた部分から壁側腹膜を切開し、後腹膜では右精巣動静脈を合併切除した。臍部に小切開を加え、回盲部を切除し機能的端々吻合を行った。術後経過は良好で、合併症無く術後9日目に退院し、その後の全身化学療法を迅速な導入が可能となった。周囲組織に浸潤した高度進行虫垂癌に対しても、腹腔鏡の拡大視効果を生かした腹腔鏡補助下手術は有効であり、その低侵襲性にて早期の化学療法導入等に寄与しうる。
- 2012-12-25
著者
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