「英語ノート(試作版)」で児童が触れる動詞フレーズの量と質 : TokenおよびType Frequencyの観点から児童の動詞フレーズの学びに着目して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の一つ目の目的は,小学校外国語活動に向けて配布された『英語ノート』を活用した授業で扱われる目標表現や,先生の英語の語りに使われる動詞フレーズの量を予測し分析することである、『英語ノート』の分析の結果,コーパスでもよく使われる動詞(do, go, have, like, make, play, sayなど)が頻度順の上位に見られた。これらの動詞は文の核であり,他者とのやりとりで大切な働きを持つと考えられる。一方では,コーパスに比べるとあまり使われない動詞(get, give know, take, thinkなど)も見られた。二つ目の目的は,頻度順の上位となった動詞フレーズについて,『英語ノート』での音声形式と意味を繋ぐ言語使用場面(context)を分析し,そこではどのように子どもの認知的な学びが期待されるのかを考察することである。その結果,動詞フレーズのtoken frequencyだけでなく,type frequencyも見られる場面では,子どもの認知的な学びがより期待されると考える。英語活動で子どもが触れる動詞フレーズは,子どもにとって,ひとかたまりの固有の表現(chunk)であり,音声から気づく動詞の軸語スキーマ(例:kick X, throw X)への認知的な学びになると考える。
- 2010-03-30