金沢大学大学院教育学研究科の改革における教科教育学的示唆 : アクションリサーチによる教員の意識改革(第35回日本教科教育学会全国大会(金沢大会))
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概要
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2009年4月,金沢大学大学院教育学研究科は,従来の研究者養成を指向する修士課程から,教育実践力の飛躍的な向上をねらった教員養成を目的とする修士課程(教育実践高度化専攻)へと大きな改革を行った。修士課程でのこうした改組は国立大学としては全国初の試みである。この改革には教員組織の変更,カリキュラム内容の刷新とともに,担当する大学教員の教育や授業に対する全面的な意識改革を必要とした。そのため,全教員を対象にアクションリサーチにもとづく授業「教育実践基礎研究」(必修科目)を担当する方式を導入した。通常,大学院の授業は教職担当教員と教科内容担当教員ごとに区分され,さらに各教科においては,教員別の専門科目として実施されるのが一般的である。今回の改革では,これらを見直し,教職と教科,さらには教員の専門や教科を超え,共同で授業科目を担当し,授業参観,授業分析を行うこととしたものである。その結果,教科教育と教科内容との関係,異なる教科教育間の関係など,今後の教科教育学を考える上で興味深い示唆が見出されている。
- 2009-12-25