東京高等師範学校附属小学校の説話主義歴史教育論 : 山田義直の理論と実践を事例にして
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概要
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本稿の目的は,東京高等師範学校附属小学校における説話主義歴史教育の理論と実践を明らかにすることである.東京高師附小は,『教育研究』誌上に教材観や教授法,国定教科書の解説などの情報を提示し,歴史教育研究に先駆的な役割を果たしていた。そして,明治以来のヘルバルト派教育学の流れをくむ開発教授による三段階教授法を洗練させ,国定教科書に基づく説話によって歴史を教授していく指導方法を確立した。山田の歴史教育実践の特色は以下の3点である、,(1)説話を中心とした歴史教授によって児童の思考に「想像的直観」を起こさせ,歴史的事象を鮮明にすることを授業の指導過程の中に定着させたこと,(2)教授や学習の中心を教師の説話に置き,教師の豊富な知識によって児童の感情を誘起させたこと,(3)「フェルシュテーエン」の学説も援用しながら児童の発達段階を考慮して直観的,具体的に学習内容を理解させ,了解の域に導く可能性を示したことである。
- 2009-09-30
著者
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