ワーキングプアの増大と新しいユニオン運動(<特集>ワーキングプア-労働・生活・運動 社会政策学会第117回大会共通論題)
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概要
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1990年代からの労働市場の構造変化は,日本型雇用の長期の雇用保障も,年功賃金による生活の安定も期待することができない家計自立型正社員と周辺的正社員という2つの労働者類型を生みだした。家計自立型非正社員と多くの周辺的正社員,それに長期間の失業者の3形態が,今日の日本のワーキングプアを生みだしている。新しいユニオン運動は,この日本型雇用システムのらち外に存在する労働者を組織対象としている。非正規雇用の急増という流れが,一転して大量の人員削減になり,派遣工切り・期間工切り,そして「派遣村」という一大社会問題を惹起させた。この事態は,日本に特有な差別的雇用構造を浮き彫りにし,これまた日本における生存権保障の致死的脆弱性を明らかにした。新しいユニオン運動はこの構造的な課題に直面しているといえる。
- 2010-02-25
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