韓国労働政策の動向と非正規労働者(<特集>雇用・労働政策の変容-社会政策学会第116回大会共通論題)
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概要
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韓国では,1997年経済危機の後,解雇規制の緩和,派遣法の導入等労働市場の柔軟化政策が行われた。その影響もあって非正規労働者が増加した。それは,正社員に比べて賃金等の労働条件が低くまた何人かの自殺により社会問題となった。その問題を解決するために,2007年,いわゆる非正規労働者保護関連法が施行された。主要内容は,使用者が,パート,契約社員を引き続き2年以上雇うと期間の定めのない雇用としたとみなす。また,派遣社員を引き続き2年以上雇うと直接雇用にしなければならない。そして,正社員と同じか類似の仕事をしている非正規労働者を合理的な理由なく差別してはならないという内容であった。企業の同法への対応をみると,非正規労働者の正社員化,無期契約化するが従来と同水準の処遇,職域の純化,そしてアウトソーシングに分けられる。政府は,2007年,公的部門の非正規労働者約6万7000人を期間の定めのない雇用に転換した。同法により,非正規労働者問題の解決がどこまで進むか注目される。
- 2009-09-25