常勤職員が求める非常勤職員像 : 介護福祉現場の雇用の多様化をめぐって
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概要
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[目的]本研究の目的は,介護福祉現場において常勤職員が非常勤職員とどのような職務上の関係を構築していく方向性をもっているのかを探求することである.[方法]介護福祉の現場に勤務する11人を対象とし,「非常勤職員に期待すること」をテーマにブレーンストーミング法(以下,BS法)を実施し,その後KJ法的手法を参考にカテゴリー分類した.[結果]BS法の結果,86枚のカードへの記述があり,それらの分類から,(1)長時間勤務することができ,平日以外にも勤務することができる,(2)現場全体を捉える能力をもつこと,(3)チーム労働であるという意識をもち,それに見合った知識と技術の習得に積極的であること,(4)ゆとりのあるケアができること,(5)近隣在住者が待遇維持のまま勤務し遂行してくれること,の5つが抽出された.[結論]非常勤職員は,常勤職員の代替的機能を期待されており,そのために一定の知識・技術を有していることが求められている.また,常勤職員と同等の職務を担うことを期待されている一方で,部分的労働も期待されるという側面がみられた.
- 2012-10-01