吉田民人著「俯瞰型研究の対象と方法 大文字の第二科学革命の立場から」 : フランス語翻訳
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概要
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戦後日本の社会学(理論社会学)をリードしてきた吉田民人(1931-2009)の研究は、大きく三つの段階に分けられる。行為主体の社会人間学的構造と機能に関する研究した1950年代から1970年までの第一期。この第一期で、吉田は社会・生活空間の構造-機能分析の基本要因である行為主体の資源・情報形態を当時の社会学の主流であるパーソンズの主知主義的システム論から欲慟や欲望によって動く人間社会空間論へと展開する1)。しかし、この吉田のポスト構造主義に近い斬新的挑戦は、1950年代日本の社会学界では、理解されなかった。 フロイト、論理実証主義や分析哲学に影響されていた吉田民人が次に展開した研究は情報論であった。言語を中心とする社会情報から生物の遺伝情報までを一つの情報形態に括り、広義の情報概念の中に社会情報を位置づけることで、社会学と生物学を自己組織性の汎情報科学の特殊形態として位置づけた。1970年から1990年までの時期に行われる研究が「自己組織性の情報科学」2)に結晶化する。この時期を吉田民人の研究の第二期と考えた。 自己組織性の資源・情報の構造-機能形態に関する科学「自己組織性の情報科学」の中から必然的に生命、人間社会現象の構築要素としての「情報」に関する一般理論に関する考察が展開されることになる3)。つまり、自己組織性の情報・資源のミクロ構造-機能要素をプログラムと呼ぶことによって、吉田の自己組織性の情報科学理論は更に展開されることになる4)。これが、1990年代から2009年までの吉田の第三期の研究である
- 2011-12-29