世界遺産「海印寺国宝大蔵経、大蔵経木殿」と言霊
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概要
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高麗の大蔵経版木とそれを収蔵する木殿の工夫と八万枚版木は白樺が使用され普遍である。人智の営みが歴史を形成し沈黙する版木は唯の木板ではないことを教示してくれる。韓国の仏教は文化に堕す、あるいは葬儀を営むだけの仏教ではなく、心を説き修行している。我国のゆくえを思考する。沈思し深いものに目をやることを学んだ。版木から書物へ、さらに世界中がiPadの先駆けから情報機器をもって電子書籍(e-books)化を事業とする方向にある。タッチパネルで画面がくるくる移動し情報を得られる速度に驚嘆する。写本から版木、グーテンベルグ印刷機の紙の書籍から電子書籍のデジタル化の方向へ進むことは間違いのないことである。しかしpcも人間の開発物であるから人間の頭脳が先んじている。わたくしは逡巡し考えることを言霊なる言葉とともに持ち続けたい。八万枚の版木は黙してそう沈思しているかのごとくである。
- 2010-10-29
著者
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原 雅子
Department of Pedology, Faculty of Human Life Sciences, Senri Kinran University
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原 雅子
千里金蘭大学生活科学部児童学科