高度専門医療施設における看護学生の看護基本技術経験割合 : 成人看護学慢性期実習からの報告
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概要
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本研究の目的は、高度かつ機能分化した施設で成人看護学慢性期実習を行う看護学生の看護基本技術の経験割合とその特徴を明らかにすることである。「臨地実習において看護学生が行う基本的な看護技術の水準」を参考に技術経験調査用紙を作成し、学生が慢性期実習で経験した看護基本技術と水準を調査した。高度専門医療施設で慢性期実習を履修した看護系大学3年次生を対象とし、154名の回答を得た。結果、経験割合が高い看護基本技術は『水準1.学生が単独で実施可能なもの』が多かった。これは、基礎看護学実習などでの実践経験が動機付けとなって、慢性期実習での援助実践に至ったと考えられる。また、実習前の自己練習が可能な項目が多く、経験することが患者にケアを提供する際の学生の自信につながり、積極的な援助実践に至ること、得られた経験は次の援助へのさらなる動機付けになることが推察された。高度専門医療施設での実習における看護基本技術経験は、報告されている「看護系大学生が実習中に経験する割合が高い技術項目」と比べ、経験内容や経験割合に大きな違いは見られなかった。また、経験割合が低い項目とその経験割合にも大きな差はなかった。これらから、高度専門医療施設で慢性期実習を行うことは、看護学生の看護基本技術経験を制限しないことが示唆された。
著者
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