看護師の心の健康に影響を及ぼす情動知能の様相
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概要
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本研究は,心の健康に影響を及ぼしている看護師の情動知能の様相を明らかにすることである。この結果は,看護師の心の健康を維持・増進に向けた支援のための資料になることが考えられた。本研究では,心の健康を陽性感情として捉え,情動知能を心身の健康を維持・増進するための感情をコントロールする陽性感情の度合いとして定義した。2008年9月〜12月までの間で地方都市にある2つの病院に勤務する看護師112名のデータを対象とした。心の健康度は,The Subjective Well-being Inventory(SUBI)を用い,情動知能は,Emotional Intelligence Scale(EQS)を用いて測定した。分析には,PASW Statistics18を用いた。心の健康に真に影響を及ぼす因子を明らかにするために,従属変数をSUBIの心の健康度とし,心の健康度に有意な相関を示したEQSの因子を中心に独立変数として,重回帰分析を行った。その結果,心の健康度においては,情動知能の因子(感情的知性)の中でも適応性・熱意・楽天性が影響を及ぼす因子として導き出され,このモデルで分散の42.8%が説明された。心の健康度を示す陽性感情の維持・向上のためには,自己の情動を言語化し、認識することが重要であることが示唆された。
- 2012-10-10