個的社会の社会政策 : 21世紀社会政策の方向(<小特集>労働市場と社会保障の新たなバランス)
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概要
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本稿は21世紀の社会政策がどのようなものかを明らかにしようとする試みである。本誌第2巻1号において,筆者は巻頭言でその概要を示した。ここに再説すれば,社会政策は社会問題に対する国家の対応策であり,社会権力の分配と生活保障を2大領域としている。そして,社会問題化の変化と,国家の変化の2つの要素によって社会政策はダイナミックに変化する。その変化を端的に表すのは,具体的な制度・政策に体現されている社会規範である。20世紀の福祉国家は集団主義的社会政策によって形成されたが,その社会規範は能力主義的平等主義であった。21世紀の社会政策は,それを引き継ぐとともに新しい社会規範として非能力主義的平等主義をとる。これは20世紀の集団主義を引き継ぐと同時に,個人の自由を拡大することによって生まれる。これが社会政策の螺旋理論である。
- 2012-10-01
著者
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