デンマーク・ボランタリーセクターに対する役割期待 : 福祉国家の再編がもたらす影響
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概要
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ボランタリーセクターに関する研究は、長い間、アメリカがリードしてきた。アメリカでは、伝統的に政府の果たす機能が限定されており、その代わり、多様なボランティア団体が国家の代替機能を果たしてきた。ヨーロッパにおいても近年、福祉サービス供給者としてボランタリーセクターが注目され、それをどのように市民社会がコントロールすべきかという規範的な関心が高まっている。背景にあるのは、福祉国家の再編である。ヨーロッパの中の小国デンマークでも、福祉国家の再編をめぐる議論を経て、ボランタリーセクターをいかにして利用できるのかが議論されている。しかし、このような関心のもとで抱かれる期待の正当性は必ずしも明らかではない。本論文は、5人のデンマークの研究者に対するヒアリング調査を元に、国家セクターとボランタリーセクターの関係が、福祉多元主義の影響の下でどのように変化しているのかを明らかにする。
- 2012-07-31