骨髄異形成症候群MDSにおけるポリコーム複合体PRC2構成因子EEDの機能欠失型変異
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概要
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7番染色体長腕の欠失及び欠損(-7/7q-)は,骨髄異形成症候群(MDS)で頻繁に認められる染色体異常であり,その頻度は放射線誘発性や治療関連を含む二次性MDSでは症例の約半数にのぼるとされる.最近,MDSとその関連疾患を含む10%以上の症例で,転写抑制に寄与するポリコーム複合体<Polycomb repressive complex 2 (PRC2)のcatalytic subunitであり,7番染色体長腕に位置するヒストンH3K27メチル化酵素EZH2の機能欠失型変異が報告され,PRC2の機能不全とMDSの病態との関連が示唆されている1-3).ところで,EZH2は単独では不活性であり,十分な酵素活性を発揮するためには,non-catalytic subunit EEDがEZH2に結合してPRC2複合体を形成し,さらにEEDを介してPRC2がトリメチル化H3K27へ結合することが必要である4,5)(図1).本研究ではMDSおよびその関連疾患症例におけるEED遺伝子の変異探索を行ったので,その結果について報告する.
- 2012-09-25
著者
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上田 健
広島大学原爆放射線医科学研究所疾患モデル解析研究分野
-
真田 昌
東京大学医学部附属病院がんゲノミクスプロジェクト
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真田 昌
東京大学がんゲノミクスプロジェクト
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上田 健
広島大学原爆放射線医科学研究所 疾患モデル解析研究分野
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