慢性疾患を持つ子どもに関する手記からの学び : 内容分析技法を用いた学生の読後感レポートの分析
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概要
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本研究では、慢性疾患を持つ子どもに関する手記において内容分析を用いた学生の読後感レポート(以下、レポートと言う)の分析を行い、レポートに用いられている用語の特徴から学生の学びを明らかにすることを目的とした。レポートに多く使用されていた「名詞」は、子ども(子・児・小児)・ナオ(直也)、家族(親・両親・母親・兄・弟)、病気、治療、自分、がん(ガン・癌)、手術、再発、人、私の順であった。さらに、レポートに5回以上使用されている名詞において類似しているものをカテゴリ化すると、対人、病態、心理・情報、自己認識、時間、コミュニケーション、病院環境の8カテゴリに分類できた。また、多く使用されていた「動詞」は、思う(い、った)、考える(られ、よう)、できる(た、て、ない)、言う(い、われ、って、った)、感じる(た)、がんばる(り、れ、った)、受ける(れ)、わかる(かった、り)、見える(られ、て)、行く(き、って)、生きる(かし、きれ)の順であった。これらの動詞について連動する文脈から読み取り「コロケーション解析」を行った結果、学生は闘病生活における患児の気持ちに共感し、気持ちの共有と病児の理解につながる学びと、自己の小児看護に対する認識を深めることができた。
- 奈良県立医科大学の論文
- 2007-03-15