バングラディシュにおける初等教員研修校の現職教員研修の効果について : 数学教師の教科知識,教授技能,態度を焦点として
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概要
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本研究の目的は,バングラディシュにおける初等教員研修校での数学教育の現職教員研修の効果を把握することである。本目的を達成するため,質的,量的両側面より調査を実施した。具体的には,代表性を考慮して選出した2校の研修校における2004-2005年度の全研修生(267名)を対象に,1年間に渡る研修の前後で質問紙調査を行い,そのデータをSPSSによって統計的に分析した。その結果,研修の前後での変容について,次の諸点が明らかになった。現職教員研修の効果として,全般的に教科の知識や教授技術の向上が認められた。しかしながら,数学教授への態度という点では,統計的に有為な効果は見られなかった。また教師の個人的属性(学歴,年齢,教員経験年数)と彼らの教科知識,教授技能,態度に相関があるかを調べた。学歴はそれら教師の能力に大きな影響を持つものの,年齢,教員経験年数はそうでないことが分かった。その他にも,教授技能は教師の態度と強く相関があること,教科知識は教師の態度との関係が最も弱いということが分かった。