都市近郊における竹林の管理・経営の実態 : 京都市近郊のタケノコ生産地を事例にして
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概要
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近年,都市近郊・里山における竹林では,竹材,タケノコ生産の不振による栽培意欲の低下等が原因で施業が放棄され,竹林が自然に周囲に分布を拡げている様子が散見される。本報告では,京都市近郊のタケノコ生産地である京都市西京区大原野地区及び相楽郡山城町地区を取り上げ,タケノコ生産のための竹林の管理・経営の現状,タケノコの販売・流通の実態及びタケノコ生産を取り巻く課題等について探るためアンケート調査を実施した(平成12年9月実施,調査表配布数:大原野地区235名,山城町地区252名,合計487名,回収率52%)。その結果,京都市近郊のタケノコ生産地である両地区においては,施業の集約度に違いがみられ,販売方法にも地域的特徴がみられた。さらにタケノコ生産を取り巻く問題点の認識にも違いがあることがわかった。その背景には,タケノコ栽培に適した土壌的条件,作業のしやすい緩傾斜地の竹林分布,市場への距離,タケノコ栽培の歴史的経緯等があるものと考えられる。タケノコ生産を取り巻く課題としては,タケノコ価格の低迷,タケノコ生産の重労働性,高齢化・後継者不足等の担い手問題が指摘された。
- 2001-03-20