ヒノキ漏脂病患部から分離された菌類の接種試験
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概要
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ヒノキ漏脂病の病原菌を確認するため,ヒノキ漏脂病患部から分離したいくつかの糸状菌Cistella japonica, Cryptosporiopsis abietina, Amylostereum laevigatumおよび未同定菌の接種試験を行った。接種1,2年後まではすべての接種菌の接種部位,また対照区でも樹脂流出が観察されたが,7年間樹脂流出が継続した接種部はC. japonicaを接種して生じた患部からであった。また,7年後の調査でC. japonica接種によって生じた患部では樹脂のうの形成形成層の壊死が観察された。こうした患部の外部,内部病徴は漏脂病の自然発病患部に類似した。患部組織からはC. japonicaが再分離されたが,樹脂流出が継続している患部からは再分離率が高かった。一方,他の接種菌では発病を認めなかった。これらの結果,C. japonicaがヒノキ漏脂病の病原菌であることを確認した。
- 1999-03-25