くれる/もらうは英語にはない概念なのか
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概要
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本稿は、待遇表現における日英語対照研究に焦点をあて、これからの課題や問題を提起するものである。依頼の場面での日、英語対照研究を例にとれば、次のように著者が訳を付すことが一般的であった。例えば、Will You sit down?に座りませんか?などとやや乱暴に訳を付してしまって、それから様々な考察を加えるというように。この訳を付すという行為のために、大切な比較要因を切り捨ててしまっている可能性があるということで危険だと言える。また発話の起こる文脈を無視しているために、考察が正確な情報に基づいていないということになる。深層にあるメッセージから各母国語話者がどのような要因を意識して最終的な発話の選択をするかをまず見なければいけないのではないか。物や行為の授受があるコンテクストでの日英語それぞれの母語話者の表現選択をもとに具体的なこれからの研究方法のありかたについて筆者の意見を述べ、また比較対照に終わらず、得られた結果をどのように日本語教授に活かすかについても考える。
- 日本語教育方法研究会の論文
- 1995-04-02