日本語研修コース修了試験〔会話〕の標準化に向けて
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概要
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本研究は、大学院レベルの国費留学生を対象とする日本語集中予備教育課程(以下「日本語研修コース」と呼ぶ)のための口頭能力試験を修了試験として開発することを目的とするものである。本発表では、岡山大学における修了試験〔会話〕の開発過程を紹介する。試験形式は、教師による面接である。評定項目は、OPIを参照して「機能」「内容」など9項目とした。評定方法は、録音採取した被験者の発話標本を各評定項目に付した記述に照らして評価する方法を採用した。実施後、評定者間の信頼性係数を求めたところ、「機能」「内容」などで比較的高い数値が得られた反面、「発音」ではきわめて数値が低く、「文法」「社会言語学的処理能力」においても十分な高さの値が得られなかった。そこで、評定項目を整理するとともに、ガットマンスケールを全面的に採用し、項目記述を精緻化して再評定したところ、評定のばらつきをきわめて小さくすることができた。
- 1995-04-02