独話聞き取り過程に見られる問題点について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本語母語話者(以下日本語話者)と日本語学習者(以下学習者)の独話聞き取り過程を観察し,その問題点を分析した。その結果,知覚処理過程で分節化ができなかったり,分析過程で辞書的意味が理解できないという学習者の問題点は学習者問題件数中約80パーセントを占めた。一方,日本語話者は,分節化や辞書的意味が理解できないという問題の生じる割合は日本語話者問題件数中約23パーセントと,学習者に比べて少なかった。日本語話者に生じる問題の約半数は分析過程における,テキスト内の語句や文のつながりが理解できないという点であった。しかし,独話聞き取り過程におけるどの問題点も日本語話者,学習者の双方に分布し,問題点そのものは母語,第二言語を問わず共通して生じるものであることがわかった。
- 日本語教育方法研究会の論文
- 1994-09-27