学校教育に位置づけられた自然体験学習に対する学校現場の対応 : 森林環境学習「やまのこ」事業の教員研修での教員アンケートから
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概要
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2007年度から,広域自治体を単位とした学校教育における森林教育の取組が滋賀県で始まっている。この事業の推進に当たって,教員対象の研修会が毎年開催され,全学校から1名以上の教員が参加している。本研究では,事業開始から5年を経過して,教員研修および事業に対する学校現場の課題の現状や事業に対する認識を把握するために,研修参加者を対象に実施したアンケート調査の結果を整理した。その結果,事業の認識はまだまだ薄く,教員の現場からは煩雑な事務手続きなどに対する否定的意見が目立つ。しかし,教員の指導資質能力の養成に関しては,教員研修での間伐体験など体験型の学習が有効であり,やまのこ事業の体験学習への実践的な参加も指導能力を高める効果があると考えられた。滋賀県での森林教育に関する一連の取組は,学校教育で自然体験学習を導入する際の学校現場の課題解決に向けた貴重な先行事例となりうるであろう。
- 2012-07-01