チャネル間競争と企業の境界
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概要
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本稿では、サプライヤーによる費用削減投資が行われる状況で、チャネル間競争における垂直統合と垂直分離の問題を検討する。生産者はサプライヤー部門を分離することによって、部品価格というチャネルの運営手段を手に入れることが出来る。しかし、生産者はサプライヤー部門を分離することによって、費用削減投資をサプライヤーに委ねなければならない。本稿の結論は、各生産者はサプライヤーを分離することによって、チャネル間競争が激しくなって利潤が減少するにもかかわらず、垂直分離を選択する。垂直分離のとき、各生産者は、生産者間の競争で有利に立つために部品価格をサプライヤーの限界生産費用より低く設定する。このとき、生産者はサプライヤーに生じた損失をフランチャイズ料によって賄う。このような低い部品価格はサプライヤーによる費用削減投資を一層増やすこと出来る。その結果、最終財の価格は低下し、経済厚生 (=社会余剰) は増加する。
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