再発・転移後のがん患者が見いだす希望とその希望を見いだすための要因
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,がん患者が再発・転移後に見いだす希望の内容とその希望を見いだすための要因を明らかにすることである.再発もしくは転移の診断を受けた10名の患者を対象に半構成的な面接法を用いてデータを収集し,質的帰納的分析を行った.分析の結果,転移・再発後の希望には【もう少し生きる】【自分らしさの表現】が見いだされた.希望を見いだす要因では,【生きられる時間を意識する】【生きる気力が持てない程の気持ちの落ち込み】【心の負担をかけない】【生きるための理由を持つ】【生きる気力を集める】【新たな自分らしさの発見】が得られた.対象者は,がんの再発・転移により生きる気力を持てないほどの衝撃を受け,これまでのような希望を抱けない状況になると言える.そこで対象者は,今を生きるエネルギーを得られる方略をとりながら,新たな希望を見いだしていると考えられる.
- 2012-03-31