状況の把握に焦点をあてた臨床判断のパターン : 経験3年以上の看護師における臨床判断の特徴
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概要
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本研究の目的は,臨床判断を構成する要素の1つ"状況の把握"に焦点をあて,経験3年以上の看護師が,患者に対するケアについて決定を下す過程の特徴を明らかにすることである.研究デザインは半構成的面接法を用いた質的記述的研究であり,実務経験3年以上の看護師12名からデータを収集した.臨床判断の全34場面を分析し,【その場に入って対象者の力や変化に注目する】,【その場で注目することの指標となる観点を捉える】,【注目することに対策を講じる】,【場面で講じた対策を再び吟味して対象者の意図と合わせる】,【その場にあわせた手段を用いる】の5カテゴリーと,〔経験による直行型〕,〔意味追及による反復型〕,〔行為先行型〕といった3つのパターンを抽出した.臨床判断の概念化の手がかりを得るため,"状況の把握"と他の臨床判断を構戒する要素との関連や,"状況の把握"のパターンに関連する経験について論じた.
- 2012-03-31