韓国における比丘尼の社会参与 : 社会福祉活動による「下化衆生」の実践
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概要
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2006年の仏教社会福祉便覧によると、韓国における仏教社会福祉施設の数は1995年には95箇所あったのに対し、2006年には477箇所と急激に増加している。477箇所のうち、比丘と比丘尼が施設長になっている施設は144箇所、とりわけ比丘尼が施設長になっている施設は91箇所存在する。このように、近年、韓国では比丘尼による社会福祉活動への参与が顕著であるが、その現象は、いつ頃から、どのような要因・背景によって生じたものなのであろうか。本稿では、韓国仏教の社会参与の背景を踏まえながら、韓国比丘尼たちの社会福祉活動の具体的な事例を挙げ、韓国比丘尼の社会参与の現状を紹介する。とりわけ、比丘尼が社会福祉活動を行うようになった動機と彼女たちの活動に対する社会からの反応、および比丘尼たち自身による活動の意義評価と問題点について検討する。また、比丘尼たちの社会参与が比丘尼たち自身にもたらした変化と韓国社会にもたらした変化について考察を行う。
- 2010-06-05