戦時下における北京覚生女子中学校の教育 : 北京市档案館資料を中心に
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概要
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本稿ではこれまで使われることのなかった北京市档案館の資料を主としつつ,関連する当時の日本側資料とできる限り照らし合わせて,戦時下の北京覚生女子中学校の実態を考察した。その結果,同校の組織運営には中国現地の教育法令に反していた点がかなりあったことが明らかになった。また,覚生女子中学校は徹底的な日本語教育を実施しており,日本の華北における言語政策の遂行に忠実に従っていたと言える。日本への修学旅行は覚生女子中学校の教育活動においてかなり重要な位置を占めていた。それは1学校の修学旅行にすぎないと見られるかもしれないが,実際には学校側は,日本に対する親近感や信頼感を中国人生徒に植えつけ,彼らに「日本的精神」を身につけさせることを意図していた点を明らかにした。
- 2012-08-25