血清TARCの高値を認めた新生児-乳児消化管アレルギーの3例
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概要
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新生児-乳児消化管アレルギーと考えられた3例において,血清TARCを測定したので報告する.症例1:日齢14の女児.哺乳不良,体重減少を主訴に紹介受診.末梢血好酸球増多(5820/μL),血清TARC高値(4730pg/mL),牛乳特異的IgE陽性(1.53UA/mL)であった.栄養を加水分解乳および乳製品を除去した母乳とし症状は改善した. 1カ月半後,牛乳特異的IgEは陰性,血清TARC値(198pg/mL)も基準値まで改善した.症例2:生後3カ月の女児.ミルク後の嘔吐を主訴に受診.牛乳特異的IgE陰性であったが,血清TARCは異常高値(25200pg/mL)であった.栄養を加水分解乳および乳製品を除去した母乳とし症状は改善した. 3カ月後,牛乳特異的IgE(0.42UA/mL)陽性,血清TARC値(1250pg/mL)は基準値まで改善した.症例3:日齢21の女児.ミルク後の嘔吐を主訴に紹介受診.末梢血好酸球増多(2923/μL),血清TARC異常高値(49100pg/mL),牛乳特異的IgE陽性(0.47UA/mL)であった.栄養を加水分解乳および乳製品を除去した母乳とし症状は改善した. 2週間後,牛乳特異的IgEは陰性,血清TARC値(2210pg/mL)も改善傾向となった.血清TARCの動向は,一部の新生児-乳児消化管アレルギーの病態に関連している可能性が示唆された.
- 2012-07-30
著者
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石川 涼子
公立昭和病院小児科
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大場 邦弘
公立昭和病院小児科
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滝 有希子
公立昭和病院小児科
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吉田 知広
公立昭和病院小児科
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小鍛治 雅之
公立昭和病院小児科
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小花 奈都子
公立昭和病院小児科
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林 健太
公立昭和病院小児科
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村田 岳哉
公立昭和病院小児科
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大場 邦弘
公立昭和病院 小児科
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滝 有希子
公立昭和病院 小児科
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