地方大学における遠隔講義の実践とその可能性について
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概要
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大学全入時代の到来により大都市の一部の大学を除き,多くの大学は学生確保のための厳しい競争を強いられている.特に地方大学や小規模大学は地理的条件やマンパワーの部分で不利な面があるため,より一層の地域性や独自性を打ち出すことが必要となっている.そもそも大学の役割は新たな知を創り出すことと,それを基盤にして社会貢献することにあるが,競争の激化により社会貢献の部分が強く意識されるようになりつつある.地域産業との連携など社会貢献につながる研究活動を求められるのはもちろんのこと,教育活動として学生を対象とするだけでなく社会人向けの高度な専門教育や地域住民に対する生涯学習,さらには初等・中等教育との連携教育事業も求められるようになっている.このようなニーズに効果的・効率的に対応できる教育手法の一つがテレビ会議システムを用いた遠隔講義であり,地方大学における地理的なハンデの克服,中山間地域までをもカバーする広範囲な生涯学習支援,大学間連携による単位互換や高大連携による高等教育の裾野拡大などの点で期待されている.本稿ではこの遠隔講義システムについて,2005年度から会津大学短期大学部で取り組み始めた専門科目での遠隔講義と,高大連携事業における遠隔講義という二つの事例に基づき,実施に必要なシステム,運用・体制,ネットワーク環境,教育の質保証について論じて遠隔講義の有効性を示すとともに,その課題と地方大学での活用の可能性について論じる.
- 2012-03-25
著者
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