Moodleの運用上の問題点と、iPad・MAC OS X Serverによるe-Learningの可能性
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概要
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e-Learning を実際の授業において活用するには、新しいシステムの構築やテクノロジーを追求するのではなく、(1)すでに出来上がっていて、(2)誰でも利用でき、(3)簡単で、(4)できるだけお金のかからない形で導入可能なもの、という観点から取り組むことが重要である。その点を考慮すると、これまでe-Learningを実施する際に行われてきた、Linux のサーバーにMoodle を稼動させ、コンピューター・センターの端末から利用するという形式は、e-Learning を普及させるという観点からは、あまり有効ではなかったように思われる。特に、それは、(1)専門的知識を必要とすることや、(2)学内のネットワークを使用するため、ネットワーク全体に影響を及ぼすことを考慮すると、なかなか思い切った実験を試みづらい、ということに加え、(3)コンピューター・センターで座学の授業を行うには、非常にやりづらいという問題として顕在化する。それゆえ、これらの問題を解決するため、iPad + Mac OS X Server のシステムを構築することを考えた。システムの概要は、一般教室内に持ち込んだノート・パソコンをサーバーにし、無線LAN ルーターから電波を飛ばし、iPad からアクセスする、というものである。これは一般教室内に学内ネットワークとは別個のクローズドなネットワークを、新たにひとつ作り上げることを意味する。これにより、学内ネットワークとは独立しているため、大胆な実験と検証を行うことが可能になる。また、これまでe-Learning を行うために、大掛かりなマルチメディアルームなどの巨額な設備投資が必要だったのに比べ、きわめて安価にネットワークを構築できる。さらに、OS にMac OS を用いることによって、iOS のiPad とは極めて親和性が高く、標準搭載されているアプリなどを効果的に活用できる。そして、iPad 用のアプリを独自に開発することによって、多様多彩なe-Learning を行う可能性がさらに広がるのである。
- 2012-03-25
著者
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