介護福祉士国家試験の日本語 : 外国人介護従事者にとってのことばの問題
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
[目的]EPAで来日している外国人介護福祉士候補者にとって国家試験の受験は大きなハードルになっている.言葉の面で,試験のどのような点がむずかしいのかを検討する.[方法](1)第23回の試験問題から候補者にとってむずかしいと思われる語を選び出し,2010年に厚生労働省から出された通達と照合する.(2)現場で働く介護従事者に,試験の専門用語が日常業務においてどの程度必要か,アンケート調査を行う.(3)日本語能力試験出題基準の語彙リストと照合する.[結果](1)ふりがなの付け方,英語,原語表記などに課題が残る.(2)日常業務に必要ないとする専門用語の割合が高い.(3)日本語能力試験出題基準外の一般語彙が半数近くある.[結論]国家試験の日本語は,候補者にとってきわめてむずかしい.すべての漢字へのふりがな付け,外来語への英語表記など,改善の余地がある.業務にふさわしい能力を有するかをみる際に,外国人であることによって排除されない試験が望まれる.
- 2012-04-01