現代のロシア正教会における女性像
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概要
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ソ連崩壊から約20年を経る今日のロシア連邦において、教育・医療・福祉分野など公共領域で存在感を増すロシア正教会の提示する女性像・家族像について分析を行う。おもな分析対象は、ロシア正教会の女性信徒を読者対象とした冊子型の年間暦に読み物として挿入されている司祭(男性聖職者)のことばおよびロマノフ王朝最後の皇后アレクサンドラ(1872〜1918)の覚書である。本稿の分析で明らかにするのは、両者の言説が、対照的なものでありつつ相互補完的なメッセージを読者に対して発していること、「良妻賢母」像を提示していること、またこんにちのロシアの社会状況を反映したものであるという点である。
- 2012-06-16