産後1ヵ月間でうつ傾向を呈した母親の育児体験の質的研究
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概要
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本研究の目的は,産後1ヵ月間でうつ傾向を呈した母親の育児生活について明らかにすることである。退院時と1ヵ月時に,エジンバラ産後うつ病尺度(EPDS)を用い,退院時には問題がなく産後1ヵ月時にうつ状態(EPDS9点以上)を呈した母親を対象とした。研究の目的・方法,プライバシーの保護,研究参加の自由性,診療との無関係性が守られることを文書および口頭で説明し同意を得た。平成15年11月〜平成17年5月に出産した母親973名中,条件に合った12名(出現率1.2%)のうち10名(初産婦7名)に半構成的面接を行った。平均年齢31.2±3.6歳,範囲24〜37歳で,重篤な産科合併症はなく,児も健康であった。平均面接時間は34.6±10.6分,面接時期は産後3ヵ月以内であった。母親が産後1ヵ月間でうつ状態に至った生活体験について, Grounded Theory Approach法を参考に分析した結果,中心的カテゴリーは〈育児に対する効力感の喪失〉であった。産後の育児を主とした生活への適応過程で,母親自身他に助けを求めない傾向にあった。助けにならない夫や実母の実態もみられ,母親は孤立した育児生活を送っていた。
著者
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