在日フィリピン人母の子育てにおける異文化適応過程に関する研究
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概要
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日本で子育て中のフィリピン人母の子育てにおける異文化適応過程を明らかにし,さらに外国人母に対する子育て支援のあり方を検討した。同意の得られたフィリピン人母14名に対して半構造化面接による聞き取り調査を行い, M-GTAを用いて分析した。その結果,フィリピン人母の異文化適応過程は,【異文化居住によるストレスとジレンマ】を抱え,子育てにおいては【文化選択への挑戦】を繰り返し,子どもの成長によって【異文化受容への転向による達成感】を得るという過程であった。【文化選択への挑戦】は,日々の子育てのなかで〈異文化家族の支援〉を受けながら,段階的ではなく同時的,複合的に行われていた。子育てには,両文化によるサポートネットワークが必要であり,とくに夫の補完的・先導的支援が重要である。また,外国人母を入国直後から支援できるよう,情報を早期に入手できる行政システムの検討や,支援者側の異文化理解が課題である。
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