C-3 持続的な競争優位を維持していくための組織能力に関する一考察 : 経営資源にもとづく企業観(resource-based view: RBV)を中心にして(自由論題)
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概要
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本報告では、現代のようにダイナミックに変化する環境のもとで持続的な競争優位を維持していくために必要な組織能力とはどのようなものなのかを、経営資源にもとつく企業観(RBV)の視点から考察していきたい。海外の研究では、「エクセレントカンパニー」(Thomas J. Peters & Robert H. Waterman. Jr., 1983)や「ビジョナリーカンパニー」(James C. Collins & Jerry I. Porras, 1994)などが有名であるが、日本企業を対象に、長期的な時間軸で研究を行っている例はあまり見ることができない。さまざまなレベルでの多様化・複雑化が進行する今日、持続的成長企業が「いかに変化に対応してきたか」を研究することは、まだ、会社の設立から年数が浅い企業が長寿企業となるべく持続的発展を行っていくための示唆を得ることができると考える。本報告では、組織が持続的な競争優位性を維持するためには、組織が競争優位性を発揮するために獲得すべき資源と、それを維持するための資源があり、また個々の資源が組織というプロセスを通じて組み合わされ、競争優位性の高い成果物を生み出していくためには組織能力が重要であると考える。また今後これらの企業が、持続的な競争優位を維持していくためには、環境変動が速く、予測が困難な中で、即興的な能力とブリコラージュする能力を発揮していくことが必要であると考える。今回の報告では、日本企業の事例をいくつか取り上げ、持続的な競争優位性を維持するための方策やイノベーションのジレンマに陥らないようにしていくための具体的方策について検証していきたい。
- 2012-06-21