C-2 技術間競争の推移パターンと企業対応(自由論題)
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概要
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製品市場では、しばしば在来技術と大きく異なる新規技術が出現し、支配性を巡る技術間競争が展開される。在来技術に依拠した事業を展開している企業にとって、こうした技術間競争への対応は、企業の盛衰を左右する重大な意思決定となる。新規技術が支配性を確立すれば、在来技術に依拠した事業はその市場を失ってしまうためである。こうした技術間競争への対応については、これまで様々な議論が展開されてきた。そこでは、新規技術の内部蓄積や事業化が企業内で阻害されないようにするための方策が中心的に論じられてきた。しかしながら、そうした対応策によって、技術間競争に直面する企業が抱える問題が解消されるわけではない。技術間競争において新規技術が在来技術を急速に駆逐するとは限らないためである。製品市場において展開される技術間競争には多様な推移パターンが存在し、そのパターンに応じて企業に求められる対応は異なる。しかしながら、その推移パターンを整理する試みは、十分に行われていないように思われる。本報告では、技術間間競争の推移パターンの整理に向け、ある時点において成立する技術間の競争状態を、顧客に対して各技術が実現する効用の優劣関係から、【支配】【競合】【部分競合】【棲み分け】の4つに類型化する。そのうえで、技術間競争の推移パターンを、各技術の性能属性と顧客の性能選好の変化によって生じる、4類型の間の流動的な推移として整理する。
- 2012-06-21