ライフネット生命の挑戦(デジタル時代の起業戦略,統一論題セッション1,ビジネス・モデルのパラダイム・シフト)
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概要
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少子高齢化と1940年体制からの脱却というわが国の根源的な社会構造の変化に伴い、生命保険業界においても、旧来のビジネスモデル(レガシー・システム)の転換が不可避となっており、新しいビジネスモデルの1つとしてネット生保が位置付けられる。これからの生保販売は、これまでのメーカー(生命保険会社)主導ではなく、消費者がより良い商品サービスを選んで行く方向に進展すべきである。そして、複数の販売チャネルを実現する鍵は比較情報の提供にあり、そのためには、約款と保険料表の開示が必要不可欠である。また、今後は、保険募集人のベストアドバイス義務を担保する仕組作りが望まれる。将来のわが国の生命保険販売について検討するためには、その大前提として、「少子高齢化」と「1940年体制からの脱却」という2つの問題に正面から向き合う必要がある。わが国の少子高齢化は、かつてどの先進国も経験したことのないスピードで進むものと想定されているが、生命保険が人に保障を販売するビジネスである以上、巨視的に見れば、少子高齢化は、顧客の絶対数が減少するのであるから生命保険業の衰退を意味すると考えて差しつかえないであろう。
- 2012-06-21