信仰を支えるもの : 白光真宏会における信者達の実践と語り
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概要
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新宗教教団を事例とした信者研究は既に豊富であるものの、信仰の保持を支える教団内部の機構に関しては検討の余地がある。本稿では、教えや実践の信憑性を保証する教団内部の機構の解明を目指す。更に、信者達の主体的な思索について検討すると共に、その思索への教団による方向付けについても論じる。事例とする白光真宏会では、近年、教祖の後継者である西園寺昌美による新たな実践の提示や教えの更新に際して、信者達が時に困惑を示す。集会及び本部行事の調査から以下の三点を指摘した。(一)本部行事における西園寺の宣言や集会における信者達の語りを介して、一連の観念や実践のリアリティが補強される。(二)それでもなお残る困惑が、信者達の思索や対話を活性化する。(三)他方、同会における各種の「印」と呼ばれる実践が信者達を諸活動へと動員する機構として働くことから、個々の信者における信仰をその表出として捉えることも求められる。
- 2012-06-30