地域全体をとらえた緩和ケア提供体制のあり方 : 緩和ケア推進のために心身医学と看護学が貢献できること(緩和ケアにおいて心身医学はどのような貢献ができるか?,2011年,第52回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜))
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概要
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本稿では,(1)心身医学と看護学には緩和ケアを必要とする患者への全人的アプローチによる専門的支援の提供が期待されていることを提起した.(2)2007年施行のがん対策基本法およびがん対策推進基本計画にて,政策目標として"住み慣れた家庭や地域に移行し,在宅で最期まで療養すること"が示されていることを述べた.(3)筆者らの実施した入院中の末期がん患者に対する病院の在宅移行支援の実態調査の結果,患者が精神症状を有したまま在宅移行すると,在宅看取りの実現性が有意に低くなるという関連性を示した.そして,この結果から,入院中の末期がん患者に対する病院での心のケア体制の強化とともに,在宅での心理的ケア提供の体制構築が急務であることを提起した.(4)今後は,病院および在宅双方において,心身医学と看護学の協働による地域全体をとらえた緩和ケア提供の体制構築が期待される.
- 2012-07-01
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