バイオレメディエーション : 微生物による環境汚染浄化(微生物の環境導入とその技術的諸問題)
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概要
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(1)バイオレメディエーションは,微生物の機能を利用した環境浄化技術であり,原位置あるいはオンサイトで汚染物質を分解・除去でき,経済性に優れている。(2)欧米では,石油による土壌・地下水汚染を対象に商業化が進んでいるが,有機塩素系化合物にようる土壌・地下水汚染については,まだ研究段階である。わが国では,漸く研究の緒についたばかりである。(3)バイオレメディエーションで使用する微生物には,外部から導入する微生物と現場にいる微生物を現場で増殖させたものがある。アメリカ合衆国の実績によると現状は,現場にいる微生物を増殖させる方法が大半を占めている。(4)トリクロロエチレンで汚染された現場で,わが国最初の原位置バイオレメディエーションのフィールドパイロット試験を実施した。地中にメタンと酸素を供給して,メタン資化性菌を原位置で増殖させるプロセスを採用した。(5)地中のメタン資化性菌を容易に原位置で増殖させることができ,一旦メタン資化性菌が増殖した地層は原位置のトリクロロエチレン分解層として働くことが確認できた。(6)バイオレメディエーションは,環境中における化学物質の微生物分解を促進する技術であるが,必ずしも特殊な微生物を環境導入する必要はなく,環境条件を制御して,もともと存在する目的の微生物を増殖・活性化させることが鍵である。
- 1995-10-01
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