Bacillus thuringiensis殺虫性蛋白質の遺伝子工学と農業利用(組換え微生物の農業利用-野外での利用を中心にして-)
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概要
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昆虫病原菌Bacillus thuringiensisは微生物農薬として使用されて,鱗翅目,双翅目あるいは鞘翅目昆虫に作用する。これらは昆虫に対し毒性が強いが,双翅目殺虫性のものは哺乳動物にも毒性を示すものであった。昆虫毒性の主体であるδ-エンドトキシンの昆虫細胞での毒性発現には1価カチオンが必要である。また,鱗翅目殺虫性δ-エンドトキシンの細胞受容体にはアミノ糖が要求され,種特異性の一因となっている。δ-エンドトキシン遺伝子がクローニングされその遺伝子構造が解明された。このクローン遺伝子はB. thuringiensis以外の微生物に導入し発現され,難防除土壌害虫の駆除に使われようとしている。さらに,同遺伝子を植物体に導入し,植物中でδ-エンドトキシンを生産し,耐虫性植物の育種に成功している。この様にδ-エンドトキシン遺伝子のバイオテクノロジーが益々拡大されつつある。
- 日本土壌微生物学会の論文
- 1988-10-01
著者
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