ラジノクローバの夏枯れに及ぼす土壌の種類と地温の影響について
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概要
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ラジノクローバの夏枯れに対する土壌の種類と地温の高低との関係をポット試験により検討してつぎの結果をえた。1) ラジノクローバの夏枯れの発生に対して夏季の地温の上昇は重大な影響を有していた。20℃程度の低地温を保持すれば,夏季の高気温下においても,牧草の刈取り後の再生長は比較的良好で,ランナー,根などの生育もよく,夏枯れ的様相は軽微になった。2) この地温上昇の悪影響は土壌の種類によって異った。供試土壌中,腐植質火山灰土壌及び洪積層の鉱質土壌では,高地温の悪影響が現れやすかった。一方,第三紀頁岩風化土壌などでは,地温上昇の影響が少なかった。3) すべての供試土壌で,ラジクローバの夏枯れの程度と主根の根腐れとの間に密接な関係があるようであった。さらに火山灰土壌では,ネコブ線虫の寄生が夏枯れの重要原因となっているものと思われた。4) 土壌の種類によって高地温の植物の生育に及ぼす悪影響に差異のある理由として,単に土壌病菌や害虫の活動に土壌の違いが影響するのみでなく,土壌の理化学性の差異の反映としての植物の栄養生理的状態が,病虫害や高温に対する抵抗力として現れる可能性を考えた。
- 1965-12-15
著者
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