超音波プラスチック接合の機構に関する仮説(強力超音波,一般)
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概要
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超音波プラスチック接合の技術は、自動車産業を中心とした幅広い産業分野において活用されている優れた加工技術である。しかし、その接合の機構は十分解明されているとは言い難く、このことがこの技術の進歩とそのさらなる活用を妨げている。かつて、大振幅の超音波振動が引き起こすプラスチック部品界面の発熱による熱融着がその機構と信じられていたことがあったが、近年の研究によりそのプラスチック接合の効果を熱融着の効果に帰することが出来ないことが分かってきた。ここではまず、超音波ねじれ振動によって接合界面に平行な振動を加えて接合されたVLDPE(超低密度ポリエチレン)とPET(ポリエチレンテレフタレート)の厚さ0.1mmのフィルム試料の物理的性質を調べた著者らの過去の研究結果から、超音波プラスチック接合が熱融着とは全く異なることを示す。さらに、PETフィルム試料ではその初期設定温度が、室温程度からそのガラス転移点までであれば超音波振動で接合するが、ガラス転移点以上再結晶化温度未満の範囲では全く接合しなくなる現象を紹介し、これらの事象から考えられる超音波プラスチック接合の機構に関する仮説を提示する。
- 2011-12-15
著者
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