ヴァレリーにおける時間と音楽の空間化
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概要
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幾何学者は「次元」という言葉をつかって直線、平面、立体の空間をそれぞれ一次元空間、二次元空間、三次元空間として表現するが、この観点からすると時間はいかに表現できるだろうか。たとえば時間の連続的性質は伝統的に線のイメージを想起させてきた。カントは次のように言っている。「われわれは時間の連続を無限に伸びる線によって表現するが、そのさまざまな部分は一次元しかないような連続を構成する。」しかしこのような線のイメージは内面で知覚される時間にも当てはまるだろうか。また時間と密接な関係があると思われる音楽についてはどのような表現が可能だろうか。これらの点について、おもに1900年代から1910年代のヴァレリーの『カイエ』に見られる考察を検討してゆきたい。
著者
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