ゾラ『獲物の分け前』 : 視覚芸術との関連で
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概要
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これまでゾラEmile Zola(1840-1902)と印象派をはじめ絵画に関しては,作家論や作品論研究において広く取り組まれてきた.しかし,視覚芸術の中でも特に写真に関しては研究対象とされておらず,ただ単にゾラは写真愛好家であるという見方が一般的だったといえる.写真の社会への浸透と時期を同じくして隆盛期を迎えた自然主義の作家たちが,写真に何らかの関心を向けたことは間違いないだろう.ゾラの「ルーゴン=マッカール」叢書Les Rougon-Macquart第2巻『獲物分け前』La Curee(1872)には,写真に関するモチーフが積極的に取り入れられており,またパノラマ写真や肖像写真との関連性が強く感じられる.そこで本稿では,まずゾラにとっての写真について考察を行い,さらに,自然主義作家であり,時代の観察者として位置づけることのできるゾラと写真との関係をテクストにおいて探ってみたい.
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