5.嗅上皮における2種類のneurogenesis(<総説特集II>嗅覚系の発生・再生・加齢-5)
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概要
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ヒトや齧歯類の嗅上皮は、嗅細胞という神経細胞から構成されている。この神経細胞は、外界に接しているだけでなく、生涯にわたってneurogenesisがおこるというユニークな特性を備えている。発生段階や再生過程で見られるneurogenesisの様式には2種類あり、それぞれearly neurogenesis、established neurogenesisと呼ばれる。これらは異なる神経細胞を産み出し、産生された神経細胞の役割は全く異なる。Six 1ノックアウトホモマウスの解析から、2種類のneurogenesisの役割と、neurogenesisを制御する遺伝子カスケードが明確になった。本稿では近年筆者らが明らかにした知見を中心に紹介する。