児童養護施設職員へのインタビュー調査からみた集団処遇に関する悩みについて
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概要
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本研究の目的は,児童養護施設における職員の集団処遇に関する悩みについて調査を行うことである.児童養護施設職員が日常で感じる集団処遇の悩みについて,13名の施設職員にインタビュー調査を行い,インタビュー結果の分類を行った.その結果,集団処遇体制の困難さや限界が示された.そして多くの職員が,個別的関わりが重要視される児童に対して,集団処遇を行っていくことしかできない職場の人数体制があり,個別的関わりの必要性とできない現状との間に大きな葛藤が存在することが明らかになった.一方で,日々の職務の中で,個別的関わりへの工夫が見られ,職員が抱えている葛藤を維持することが,職員の日々の工夫と成長につながると考えられた.また心理職の役割として,葛藤を共有できる同業集団の形成,葛藤を工夫への準備段階としての肯定的な意味づけを行うことなどが見えてきた.
- 仁愛大学の論文
- 2008-12-30