下肢静脈瘤に対する血管外ステントの手術経験
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概要
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(背景)近年,オーストラリアでは,下肢静脈瘤に対する血管外ステント(External Valvular Stent以下EVS)治療が,低手術侵襲,低再発率,大伏在静脈温存などの利点の為に急増している.しかしながら,日本では深部静脈弁不全に対するハンドメイドのEVS治療報告があるのみである.筆者のシドニーでのEVS手術経験を報告する.(症例と手術)2006年12月から2008年3月まで,軽症下肢静脈瘤18肢(女性12例,男性3例)に対し,大伏在静脈根部へのEVS手術を施行した.EVS器具は,強化ダクロン・シリコンカフ素材の小さく,薄いVenocuffIIを使用した.(結果)手術創感染,表在並びに深部静脈血栓症などの術後合併症を認めなかった.また,術後3か月の診察・超音波ドプラ検査にて,18肢全ての大伏在静脈血流は,逆流を認めず正常化していた.そして,全ての患者が手術結果に満足していた.(まとめ)食事や生活習慣の欧米化により,日本人の心筋梗塞,閉塞性動脈硬化症などの血管疾患の患者数は,増加している.今後,来るべきバイパス手術の為に大伏在静脈を温存することが必要になり,EVS 治療が日本または世界のゴールドスタンダードになるかも知れない.
- 2012-07-25
著者
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伊藤 生二1
貞心会西山堂慶和病院1
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Rodney James
Vascular Unit, Royal North Shore Hospital, University of Sydney, Australia2North Shore Hospital, University of Sydney, Australia2, Vascular and Endovascular Surgery, Macquarie University Hospital, Sydney Australia3
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Rodney James
Vascular Unit Royal North Shore Hospital University Of Sydney Australia2north Shore Hospital University Of Sydney Australia2 Vascular And Endovascular Surgery Macquarie University Hospital Sydney Australia3
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Rodney James
Vascular Unit, Royal North Shore Hospital, University of Sydney, Australia : Vascular and Endovascular Surgery, Macquarie University Hospital, Sydney Australia
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伊藤 生二
貞心会西山堂慶和病院