中国・吉林省の林業経営における税制および費用負担制度について : 日本との比較検討から
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概要
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中国では主に天然林を中心に林業経営を行ってきたが,林業経営者に対して税金やさまざまな費用負担が徴収される際に所得税制と違って粗収入を課税対象とする仕組みを採ってきたため,林業経営者の負担が高くなっている。このことは天然林資源を保護し,林業経営を主に人工林で行い,人工林育成へ社会各層からの参与を推進するという政策転換期を迎えつつある今日において林業経営,森林育成の進展を妨げる主な要因となるだけではなく,森林地域の貧困の拡大,違法行為の横行などの社会問題の原因ともなっている。このため中国,吉林省において林業経営の特質を十分に配慮した税負担制度の検討を急がなければならないと考えられる。検討の結果,これからの中国および吉林省において,林業経営者が生活を維持しつつ林業経営を続けるために,国は税収入を得られる税負担制度として育林基金の相同額を必要経費として控除すること,累進税率を緩和させる分離10分10乗方式を適用することなどの方策が必要であると考えられた。また,経営面積を少なくとも2ha以上を保有することが必要となると考えられた。
- 2006-12-31
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